御船の格好がついてきた。
笹竹を横に飾りつけると両側に赤いちょうちんをぶら下げる。片側だけでも数十個。
そして両側を幕で覆う。
黒幕に祇園模様と白線が入っている。
艫には長いちょうちんをぶら下げる。
この「御船」には前方に大太鼓と小太鼓、各一人ずつ。真ん中から後方に鉦、笛奏者が数人乗り込む。
かなりの重量になる。それを数十人が丸太に肩をかけ担ぎあげる。
そして夜、町内を練り歩くのだ。
太鼓と笛を奏で赤いちょうちんの御船が狭い町内を練り歩く様は勇壮であり、危険と隣り合わせなのだ。
京都の祇園さんのような豪華華麗さはないが、漁師町特有の質実剛健さは類をみない。