伊勢志摩国立公園、棚橋の直販施設「南伊勢みらい」
その「南伊勢みらい」は、土・日のみの営業である。
金曜日の今日、聞こえるのは、時折通る車の音とウグイスの鳴き声。
先月6月28日に「高速道路無料化」で「紀勢自動車道」が指定されたこともあって 通行量がグンと増えた。
倍になった。 「タダになってから軽トラが60キロで走るようになって・・・」 とぼやいている人も中にはいるらしい。 又聞きなので真偽のほどはわからない。
というのも、私は高速を使わず、いつも42号線を走る。
津からは、紀勢大内山まで30分以上は短縮されるのだが 早すぎて、味もそっけもないからだ。
ともかく42号線を伊勢柏崎から錦方面に向かい、10分もすると 気候がガラッと変わる。 南洋性気候というのだろうか、山の空気が海の空気に変わるのだ。
直販施設「南伊勢みらい」は、そういう湾内、棚橋公園の一画にある。
「ここは、風待ち港でな、昔は台風とかになると、ここで舟を停泊させた もんや」。 下地町2番組のHかったんがゆうてたな。
小高い丘から、かって平家の落ち武者が塩田を行った眼下を眺めていると 何か、身体の奥底からつき動かされるような衝動にかられる。 それは、壇ノ浦で滅びた平氏の一族が、紀勢町錦から姫越山を越えて 古和の隣、棚橋に移り住んだということ。 地元の漁師に遠慮して、漁をせず「塩田」で生計を立てたということ。 塩田は滅びたが、先祖を敬う伝統が700年経った今も、絶やすことなく続いていると いうこと。