PCクラブログ

2006年からの日記です。備忘録です。生活に必要な知識、それを実現しょうと試み続けているのが本ブログです。未熟者ですがよろしくお願いします。

白手ぬぐいの鉢巻き

先日、一人の漁師が古和の沖で亡くなったのを知る。
名字と年齢から、「もしやあの人?」と頭をよぎった。

旋回している無人の船の近くを救命胴着で・・・。
毎年のように漁師が亡くなるので
、何故、漁師が海に落ちたちたくらいでと疑問に思っていた。
子どもじぶんから海で育ち、金槌なんかおらん筈やのに。

知り合いから話を聞くにつけ、その疑問が解けてきた。
何かのはずみで舟から落ちる。
しかし、無人で旋回してくる舟まで泳ぐのは並大抵のことではない。
冬では5分もすれば体力を奪われ凍死寸前になるから落ちただけで命にかかわる。

今回の事故は猛暑である。
夏とはいえ、独りで沖に出て海に落ちれば、旋回している無人の舟まで泳ぎ着けたとしても
今の船は、昔の木造船と違って二回りも大型で、しかも足をかける所がない。
70を過ぎ、体力を消耗しているところへ
舟に両手をかけて更によじのぼる力がもう残っていなかったかもしれない。

知らせを受けて現場へ駆けつけた弟さんが
兄さんの所まで泳いでいって引き上げたとか。
後日、近所の漁師から
船体に無数の擦り傷があったと言う話をきくのが哀しい。

私は、亡くなった漁師をよく知っている。
去年の浅間さんで写真を撮ったこともある。
真っ白い手ぬぐい鉢巻きが、よく似合う漁師だった。
”イタコ一枚下地獄”という言葉があるが
遭難がつきものなのが「漁師業」とはいえ
もう何人、哀しい話を聞いたことか。

 ご冥福をお祈りします。

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