No.7 古和浦有地山手前で弁当を食べる
(南伊勢町古和浦 12:10)
雑木林の中はいろいろな木々が濃い影を交わし合い、光の影が入り乱れている。ミツバツツジの花がさき、姿はみえないが、しきりに鶯がさえずっている。
木の芽が吹く深い木立に、明るい日の光がさしこむ小高い丘に来た。先頭の人たちが一服している。ここで昼にするのだろうというのを察した。初夏の日射しが落ち葉の上に落ちていた。落ち葉が積もった地面にはところどころ朽ちた木や苔の生えた石が横たわっている。
それぞれが横たわった丸太の上などに思い思いに腰かけ、リュックから弁当をだした。私も、サークルKで買った弁当を開けた。
「どうぞ」と言う声に振り向くと、目の前に紙コップを差し出して来た人がいた。
-----お茶? と思ったらネギが浮かんでいる。山歩きで味噌汁が飲めるとは思ってもみなかったのでありがたかった。
弁当のプラスチックのふたをあけた。から揚げを箸でつまみ一口食べてから、黒ゴマが降りかかったご飯を口に入れた。紙コップの中を割りばしでかきまぜて、ゆっくりと味噌汁を飲む。
雑木林の中から時折、聞きなれない鳥の鳴き声がする。
「あれはアカゲラや」と野田さんが言った。
「アカゲラって赤いのやろな」と誰かが言った。
「いや黒いぞ」と野田さんが答えた。
私は、カラスのような鳥を連想していた。
続けて「綺麗なのはカワセミやな。このあいだ目の前で巣を作っているのを見た」と野田さんは言った。
私は弁当を食べ終えてから、ゆっくりをお茶を飲む。弁当の空を袋に入れ、リュックの中にしまい終わるとペットボトルのお茶を2杯、3杯と口にした。
前の人から何やら菓子袋が後ろの人に手渡された。手渡された人の「かりんとう?」という声が聞こえた。私は遠慮しながらも、袋の中に手をいれひとつ取り出して横のクロさんにまわしながら、かりんとうを口にいれた。
そうやってみんながくつろいでいる時である。野田さんが急に立ち上がって何が言った。
とんでもないものが現れたのだ。
雑木林の中はいろいろな木々が濃い影を交わし合い、光の影が入り乱れている。ミツバツツジの花がさき、姿はみえないが、しきりに鶯がさえずっている。
木の芽が吹く深い木立に、明るい日の光がさしこむ小高い丘に来た。先頭の人たちが一服している。ここで昼にするのだろうというのを察した。初夏の日射しが落ち葉の上に落ちていた。落ち葉が積もった地面にはところどころ朽ちた木や苔の生えた石が横たわっている。
それぞれが横たわった丸太の上などに思い思いに腰かけ、リュックから弁当をだした。私も、サークルKで買った弁当を開けた。
「どうぞ」と言う声に振り向くと、目の前に紙コップを差し出して来た人がいた。
-----お茶? と思ったらネギが浮かんでいる。山歩きで味噌汁が飲めるとは思ってもみなかったのでありがたかった。
弁当のプラスチックのふたをあけた。から揚げを箸でつまみ一口食べてから、黒ゴマが降りかかったご飯を口に入れた。紙コップの中を割りばしでかきまぜて、ゆっくりと味噌汁を飲む。
雑木林の中から時折、聞きなれない鳥の鳴き声がする。
「あれはアカゲラや」と野田さんが言った。
「アカゲラって赤いのやろな」と誰かが言った。
「いや黒いぞ」と野田さんが答えた。
私は、カラスのような鳥を連想していた。
続けて「綺麗なのはカワセミやな。このあいだ目の前で巣を作っているのを見た」と野田さんは言った。
私は弁当を食べ終えてから、ゆっくりをお茶を飲む。弁当の空を袋に入れ、リュックの中にしまい終わるとペットボトルのお茶を2杯、3杯と口にした。
前の人から何やら菓子袋が後ろの人に手渡された。手渡された人の「かりんとう?」という声が聞こえた。私は遠慮しながらも、袋の中に手をいれひとつ取り出して横のクロさんにまわしながら、かりんとうを口にいれた。
そうやってみんながくつろいでいる時である。野田さんが急に立ち上がって何が言った。
とんでもないものが現れたのだ。