No.6 古和浦の有地山を目指す
(南伊勢町古和浦 11:20)
この周りは伐採されていてポッカリ穴が空いたようだ。5月の日射しが頭から注いでいる。ここで小休止する。古和浦の方角に眼をやったが、木立で見えない。目に入るのは有地山まで続く雑木林の尾根と大空である。小さな看板が見えた。横30センチ、縦10センチくらいの白い板に「大河内山546」と記され、突っ立て棒が地面から伸びていた。
棒には火の用心と赤く書かれている。
地図を見ると無線中継所の頂上とは目と鼻の先である。そこから23分である。歩き始めてから1時間くらいだろうか。
横でトモさんが
「大河内山は双子山で、無線中継所の方は東峰というらしい」というようなことを話していた。
成程、それほど高さに違いはない。
登頂の記録にと先生たちに入ってもらって写真を撮った。カメラを覗くと11時14分を表示していた。
真上近くからの日の光と、影になった部分とのコントラストが日射しの強さを表していた。、
「さぁそろそろ行きましょか」と誰かの声で腰をあげた。
次の有地山までは1時間弱の行程である。両側にはあいかわわらず密生する枝がからみあっているが通り道は葉が落ちつくしているなだらかな下り道である。樹木の切株が茎を日に光らせていた。先頭がずんずん歩き、私たちがあわてて後を追った。
私たちはところどころに現れる邪魔な立木を伐採しながら黙々と歩いた。日は真上に来ていたが樹木に遮られて涼しく感じられる。だが、日が暮れればそうはいかないだろう、と私は思った。
-----このままの天気が夕方まで持てばいいが。
そして4時頃までに不動さんに降りたら、そこから津まで運転しても6時には着けるだろう、7時からの寄り合いに十分間にあうなとも思っていた。
「古和に住んどんかな?」前を行く事務長が伐採しながら言った。
「津やけど、古和にしょっちゅう帰ってきますんさ」
テクテク会事務長は気さくな人である。田圃を作っていることや古和の知り合いの名前をだした。私たちは世間話しながら枝を伐採した。事務長は目印になりそうな木があると後ろを振り向いて「クロさん、ここも頼む」と声を掛けた。こんな道がどこまで続くのかと思い始めたころ、事務長が前方に大声で呼びかけた。
「適当な場所で昼にしませんか」
前方から声が返ってきた。
「この先にちょっと広いところがあるからそこにしましょ」
時刻は12時をとっくに過ぎていた。
この周りは伐採されていてポッカリ穴が空いたようだ。5月の日射しが頭から注いでいる。ここで小休止する。古和浦の方角に眼をやったが、木立で見えない。目に入るのは有地山まで続く雑木林の尾根と大空である。小さな看板が見えた。横30センチ、縦10センチくらいの白い板に「大河内山546」と記され、突っ立て棒が地面から伸びていた。
棒には火の用心と赤く書かれている。
地図を見ると無線中継所の頂上とは目と鼻の先である。そこから23分である。歩き始めてから1時間くらいだろうか。
横でトモさんが
「大河内山は双子山で、無線中継所の方は東峰というらしい」というようなことを話していた。
成程、それほど高さに違いはない。
登頂の記録にと先生たちに入ってもらって写真を撮った。カメラを覗くと11時14分を表示していた。
真上近くからの日の光と、影になった部分とのコントラストが日射しの強さを表していた。、
「さぁそろそろ行きましょか」と誰かの声で腰をあげた。
次の有地山までは1時間弱の行程である。両側にはあいかわわらず密生する枝がからみあっているが通り道は葉が落ちつくしているなだらかな下り道である。樹木の切株が茎を日に光らせていた。先頭がずんずん歩き、私たちがあわてて後を追った。
私たちはところどころに現れる邪魔な立木を伐採しながら黙々と歩いた。日は真上に来ていたが樹木に遮られて涼しく感じられる。だが、日が暮れればそうはいかないだろう、と私は思った。
-----このままの天気が夕方まで持てばいいが。
そして4時頃までに不動さんに降りたら、そこから津まで運転しても6時には着けるだろう、7時からの寄り合いに十分間にあうなとも思っていた。
「古和に住んどんかな?」前を行く事務長が伐採しながら言った。
「津やけど、古和にしょっちゅう帰ってきますんさ」
テクテク会事務長は気さくな人である。田圃を作っていることや古和の知り合いの名前をだした。私たちは世間話しながら枝を伐採した。事務長は目印になりそうな木があると後ろを振り向いて「クロさん、ここも頼む」と声を掛けた。こんな道がどこまで続くのかと思い始めたころ、事務長が前方に大声で呼びかけた。
「適当な場所で昼にしませんか」
前方から声が返ってきた。
「この先にちょっと広いところがあるからそこにしましょ」
時刻は12時をとっくに過ぎていた。