PCクラブログ

2006年からの日記です。備忘録です。生活に必要な知識、それを実現しょうと試み続けているのが本ブログです。未熟者ですがよろしくお願いします。

No.9 古和浦の猪はうまいんやてなぁ?

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(南伊勢町古和浦 12:50)

大ダニから猪の話題に移った。
「古和の猪や鹿は美味いんやてなぁ」
「そらそうさ、雑木林の実をたべとるでなぁ」

古和浦の山はほとんど公民館のもので、その空き地を利用して個人が杉の木を植えてはいるが、それ以外ほとんどが雑木林なのだ。それは植林された山ばかり見慣れた街の人々が見れば一目瞭然である。この雑木林の栄養分を含んだ雨水が古和湾の魚の栄養分となる。

しばらく食い物の話をしていながら、なんとなくポケットから地図を出して広げてみた。ここから南東の方角に向かう。登り坂のてっぺんに521mという印がある。ここが有地山北峰というものらしい。

そうこうしているうち、2人は立ち上がった。他の人も腰をあげた。

トモさんはカマで小枝を伐採しだした。膝下にゲートルのような黒いものを巻いているのは、おそらくマムシ除けかもしれない。マムシは手に飛びかかってくるので怖い。
去年の6月、姫越山へ上ったときマムシを踏んだことがあった。私は気づかなかったのだが、後ろの人が見つけて、杖で引っかけて飛ばしてくれたのだった。

---ふと、マムシで、古和の床屋さんへ散髪にいった時に聞いた話を思い出した。
隣の椅子で70代の漁師と店主の会話を小耳に挟んだ。「マムシを捕って生き血を飲んだ云々」。
それを聞いて(よくそんな生臭いものを飲むなぁ)と思ったものだ。とにかく70代以上の古和の漁師はいかつい(勇猛で元気)であった。

幸いマムシらしき物は出てきそうもなかった。ただ、薄暗い光の下に、人ひとりやっと通れるような小道がまっすぐに続いていた。私たちもつられて枝を打ち払いながら歩いた。ときどき足もとがフワァっとしたかと思うとズボッと沈み込むことがあった。樫の葉っぱが穴に積もり、そこへ足を踏み込むからである。思わずよろけそうになる。

こんな道がどこまで続くのかと思うくらい時間が過ぎた。昼休みしてから1時間は歩いただろうか。少し疲れを覚えてきた。それでも-----不動さんには4時頃までに着けばよい、と思っていた。

その時、前方で「見えた、見えた」と弾むような声が森の中に響き渡った。
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