PCクラブログ

2006年からの日記です。備忘録です。生活に必要な知識、それを実現しょうと試み続けているのが本ブログです。未熟者ですがよろしくお願いします。

No1 古和峠から登る

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南伊勢町古和浦 10:00)


 きくやのトモさんに聞いた公園は、来てみると猫の額のような広さで草が生い茂っていた。ふるさと公園と小さな看板がかかっていなければ、うっかり見過ごすところだ。隣は交番で、前は不老川である。

-----まだか。
と私は車のハンドルを切りながら首を突き出して思った。

しかし公園の方に右折しようとしたとき260号線の傍に立ってこちらを向いている人とばったり顔があった。長身のその人は、帽子をかぶり、首には黄色いタオルを巻き、足元は黒いゲートルのようなものを着けていた。

私は声をかけた。「トモさん!」
「内瀬から来るもんでな、ここで待ってるんさ」
古和弁が返ってきた。

もう一人の人がこちらに歩み寄ってきた。
「よろしくおねがいします。私もテクテク会に入ってるんやんな」
見ると初老の日焼けした男の人である。「あんたと同級生のA子の旦那です」
「ああ、あのA子さんの・・・野田さんやな?」
私は50年も前のかすかな記憶、小学・中学時代のA子さんを思い出した。

その内、ネズミ色の車がこちらの方に曲がり、立ち話しているに気がついたのか停車した。
南勢テクテク会の人たちのようだ。見覚えのある顔が一人二人と降りてきた。棚橋の姫越山登山以来である。


こうして、総勢9人、軽トラと乗用車に分乗し、今日の山歩きの出発点、古和峠に向かった。
軽トラの荷台で野田さんが言った。
「途中でうちの牛小屋の前を通るから家内に挨拶したってくれ」
見ると左手100メートルぐらい先で牧草を刈っているトラクターが見えた。
タオルを振って大声で呼んでみたけど、気付かなかったようだった。

若葉の続く古和峠道を軽トラが上っていく。
そのうち、後の乗用車の姿が見えなくなった。どうも、左折したのを気づかず直進してしまったらしい。
その道は行き止まりなのだ。今来た道を引き返して待っていたら乗用車が戻ってきた。

それから30分近く走ったろうか。春の日差しが溢れて山歩きには絶好の日和である。この道は柏崎に通じる道である。昔、古和の人々はこの道を通って柏崎まで歩いたのだ。
「この先を行くと今は大紀町やけどな古和河内って名前のとこあるやろ。古和とつながりが深いんさ。柏崎から嫁さんに来てる人も多かった」
野田さんは思い出すように言った。

古和峠に着く。それから道具の点検である。
「あっつ! 油を忘れてきたぁ」と中野さん。

そこで、野田さんの大きいチェンソーを使わず、その油を使うことになったのだが、中野さんのチェンソーをチラッと見たとたん「ちょっとチェーンがゆるんどるよ!」
野田さんは、一瞬にゆるみを見つけた」
そして道具を取り出すと手際よく締め付けた。

農業と、山仕事に生きてきた野田さんのさらにスゴイ能力を、山歩きでも知ることになる。
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