古和の祇園祭 No8
「御船」が「不老橋」の袂(たもと)まで押し返されてきた。
ここは急な坂道になっている。
船尾がグーと高くなる。
船首に重みが加わる。
笛が
「ぴーららぴーらぁ~ピィラー~ピィラー~」
「ピィ~~~~」
ひときわ高く鳴ると左舷と右舷お互いの力がぶつかる。
片方が一斉に持ち上げると「御船」が大きく傾く。
(うわぁ、このままではひっくりかえる!)
このとき「御船」の下では一瞬恐怖を感じる。
かって・・・
片方の担ぎ手が支えきれず転覆したことはしょっちゅうあった。
しかし転覆しても「乗り手」は「祇園ばやし」で太鼓を連打し、
笛や鉦で「担ぎ手」を鼓舞し「御船」を立て直さなければならない。
怒号と罵声が飛び交う。
船の下敷きになっている「担ぎ手」の様子を想像すると
子ども心に胸騒ぎをおぼえたものだ。
笹竹が折れ、ちょうちんが破れ満身創痍(まんしんそうい)の船が
起き上がると、見物衆から「ワーー」という喚声があがった。
今はそんな荒くたい世相ではない・・がいつ何時事故が起きるとも限らない。
とにかく重たいのだ!
ひとりや二人の力でどうなるものではない重さなのだ!
丸太が肩に食い込む。「担ぎ手」同士の足がもつれる。
船首の方向が定まらず塀にぶつかりそうになる。
すると予備の「担ぎ手」が懸命に押し戻そうとする。
この「祇園ばやし」から普通の音色・太鼓にもどると
御船もまた落ち着きを取り戻しゆっくり前に進んでいく。
この強弱をくり返しながら「御船」は港まで運ばれていくのだ。
笛が鳴る
祇園ばやしの
不老橋
ここは急な坂道になっている。
船尾がグーと高くなる。
船首に重みが加わる。
笛が
「ぴーららぴーらぁ~ピィラー~ピィラー~」
「ピィ~~~~」
ひときわ高く鳴ると左舷と右舷お互いの力がぶつかる。
片方が一斉に持ち上げると「御船」が大きく傾く。
(うわぁ、このままではひっくりかえる!)
このとき「御船」の下では一瞬恐怖を感じる。
かって・・・
片方の担ぎ手が支えきれず転覆したことはしょっちゅうあった。
しかし転覆しても「乗り手」は「祇園ばやし」で太鼓を連打し、
笛や鉦で「担ぎ手」を鼓舞し「御船」を立て直さなければならない。
怒号と罵声が飛び交う。
船の下敷きになっている「担ぎ手」の様子を想像すると
子ども心に胸騒ぎをおぼえたものだ。
笹竹が折れ、ちょうちんが破れ満身創痍(まんしんそうい)の船が
起き上がると、見物衆から「ワーー」という喚声があがった。
今はそんな荒くたい世相ではない・・がいつ何時事故が起きるとも限らない。
とにかく重たいのだ!
ひとりや二人の力でどうなるものではない重さなのだ!
丸太が肩に食い込む。「担ぎ手」同士の足がもつれる。
船首の方向が定まらず塀にぶつかりそうになる。
すると予備の「担ぎ手」が懸命に押し戻そうとする。
この「祇園ばやし」から普通の音色・太鼓にもどると
御船もまた落ち着きを取り戻しゆっくり前に進んでいく。
この強弱をくり返しながら「御船」は港まで運ばれていくのだ。
笛が鳴る
祇園ばやしの
不老橋