古和の祗園祭御舟飾り(7.10.2010)
7月の第二土曜日、今年も、古和の祗園さんがやってきた。
「きんの(昨日)は大雨でにゃあ、今日、日よりでよかったにゃー」。
「あっつい(暑い)よー」。
あちこちから人が集まってきて、古和弁が飛び交う。
公民館のスピーカーが
「・・・4時から御舟かざりを行いますので、各町係は漁業組合前にお集まりください」。
堤防のねき(傍)には、数十人集まっている。
組み立てられた御舟には、まず、津島神社の神棚が据え付けられた。
、飾り付けは、囃し方を中心にめんめの(それぞれの)手がすすむ。
午後、4:10
「いばいたれー! いばいたれー!」
5本の丸太がナイロンロープで 結び付けられた。
御舟を支える台が、時々グラっと傾いた。ちょっと支え台が前過ぎたようだ。
4:15
「竹、もってきてくれー!」
の声に、めんめで海につけてある竹を運び、その場その場にとりつける。
鉄工所のおじやんが、提灯をぶら下げる竹の位置を確かめる。
きみさんが、竹と竹をロープでくくりつける。囃し方なので心得たものだ。
4:20
神だなにボタモチのようなものを2個、きくさんが供えた。
漁師のあらくたい(荒っぽい)会話が飛び交う中で、大太鼓が据え付けられた。この太鼓をバチで叩き続けるわけであるから手にタコができる。
4:30
笹飾りをかき分けて御舟の中をのぞいた。
小太鼓の据え付け位置を調整しているところだ。
「これくらいでええきー(いいか?)。
大太鼓と背中合わせに座る。
大波、小波、立て波、横波、どんな姿勢になっても叩き続けるのが大太鼓と小太鼓の宿命なのだ。
とも (後ろ側)には笛吹きが6人ぐらい乗る板敷き3枚。
イタコ一枚下地獄、を表すかのような狭い船内ではある。
4:35
提灯の電源を担当しているオジヤンが一個一個電球を点検する。
祗園模様の入った横幕が張られて、御舟の笹飾りが終わる。
「Tさん、やりまわし(本番の場所まで移動させること)は何時やな?」
「5時!」
短く答えたとき、寄せ太鼓のk君が
「もう5時やよ」
町係がめんめに丸太の周りに集まった。小太鼓と大太鼓が叩かれると同時に
御舟が持ちあがり笹が大きくゆれた。