津波が古和川を遡る
3月11日 (金) 17:50
港には丈夫で高い堤防がある。
チリ地震津波の時には、堤防いっぱいいっぱい来たが
今回の津波は、まさかこの堤防を越えることはないだろう、と思った。
誰かが、古和川の方を心配しているようだ。
そこで、そちらへ軽トラを走らせた。
不老橋のたもとまでくると川の両側で、何人かが川を覗きこんでいた。
高い所を見計らって駐車し、横目で川を見ると、水が川上に逆流し白波をたてている。
いつもとは違う様子に胸騒ぎを覚えながら、不老橋へ急いだ。
橋の真ん中で下を覗き込んでいるおばやんが居た。
「津波、どやな?」
こっちに顔を向けたおばやんはTさんに似ていた。親戚だろうか?
「だんだん水が増えてくる・・・」。
心配そうにつぶやいた。
折しも、空は暗くなりみぞれが降りだしだ。
気温がグッと下がってきた。