PCクラブログ

2006年からの日記です。備忘録です。生活に必要な知識、それを実現しょうと試み続けているのが本ブログです。未熟者ですがよろしくお願いします。

No.3  古和峠大河内山の鉄塔が見えた

イメージ 1

門扉には「NTT移動通信中継所」と看板が出ている。
間口がかなり広い。トラックが建設部材を運んぶ道なのだろう。

「ぼちぼち行こか」と野田さんとトモさんが門扉をくぐると、他の人たちもくぐった。
それでなんとなく1人2人連れだって歩く形になった。
道幅は広いが急な坂道である。
先頭の2人はどんどん登っていく。あとに続く人たちも雑談しながら続く。
私も後をついていった。歩き出して10分もすると日頃、足を使っていない身がよくわかる。
日が真上の方まで上がってきて両側の木々の葉っぱの影が濃くなっている。幾分額に汗が滲んでくる。


私は少し足を急がせて前を行く人に接近した。
クロさんと呼ばれている人だった。
「姫越でも一緒でしたな」と私は会釈しながら言った。
クロさんはニコニコ笑いながら口を開いて
「そやったかな」
「いかついですなぁ」
「もう70過ぎているんやんな」
右手に杖、腰にはナタを掛け背筋もピンとしている。

今度は後ろの人に挨拶がわりに声を掛けた。
「山歩きはもうどれくらい?」
「もう70回くらいですかな。10年間で」
「たいしたもんですなぁ」
「この間は切原から内宮さんまで歩きました。昔、五ヶ所から伊勢まで魚を運んだ道です。中には1日2往復もした人いたらしいです。昔の人はいかつかったですな」
屈託のない軽い笑い顔でその人は言った。

更にその後ろには女性の方と小山先生が輪っぱのメーターを転がしながら続いている。
先頭の2人は姿もみえないが頂上で一服するので急ぐ必要はない。
空が晴れ上がってまぶしいくらいの日射しだが、まだ暑いというほどでもない。春が終り夏近しという気候だ。
そろそろ頂上の鉄塔が見えてくるはずだ、と誰かが言った。
「見えてきた、見えてきた」と上の方で声がした。
お問い合わせ